皆さん、こんにちはう-ぱ-る-ぱです!
特別支援教育って聞いたことがありますか?
最近聞く機会が増えた人も多いのではないでしょうか。
♦特別支援教育ってなに?♦
”従来の特殊教育の対象に障害だけでなく、LD、ADHD、高機能自閉症を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、その一人一人の教育的ニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うもの。”
引用元 文部科学省 今後の特別支援教育の在り方についての基本的な考え方
簡単なイラストで見てみましょう!
例えば
2022/10からスタートしたドラマ「silent」
後天性の難聴の方が主人公です。
耳が聴こえないからコミュニケーションが取れない?いいえ。
聴こえづらいのであれば、視覚、触覚、嗅覚など聴覚以外の感覚を養うことでコミュニケーションを取ることが可能です。手話、筆談、タブレット入力など耳の代わりのコミュニケーションツールとして意思を表出する方法があります。
困難なことをいろいろなアプローチの仕方で乗り越えていこう!それが特別支援教育です。
そして
日常生活で使える力を養うことが非常に大切。
水の量を勉強するにしても、1リットル=1000mlという知識は使うかもしれないですが、日常生活の中で必要ですか?それだったら、カップラーメンに必要な水の量やタイマーの使い方などを覚えた方が使える!という考えもできるのです。
特別支援教育
障害のある子どもがよりよく生きることができるように、その子の能力の範囲内で、できることを増やしたり、必要な力を養ったりするための教育。
♦障害のある子どもってどんな子?♦
身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
引用元 障害者基本法
特別支援教育の対象として、大まかに以下のように分けられます。
○発達障害
- 学習障害(LD)
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 自閉スペクトラム症(ASD)
○身体障害
- 視覚障害
- 聴覚障害
- 肢体不自由
- 病弱
○知的障害
特別支援学校、特別支援学級、通級による指導など、本人や保護者の意志を踏まえて、障害の程度に応じて特別な支援を必要とする子供のことを言います。
♦発達障害ってなに?♦
自閉症、アスペルガー症候群その他の行広範性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの。
引用元 発達障害者基本法
発達障害とは、あいまいなものです。
誰にでもある得意不得意や感じ方の違いなどの特性が個性的なの。
医学的にグループ分けするために診断名をつけている印象。
私は「生きづらさ」を軽減するためのお手伝いをしてあげたいと考えています。
学習障害(LD)
Learning Disabilitiesの略。
定義 | 基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、[聞く]・[話す]・[読む]・[書く]・[計算する]・[推論する]能力のうち特定のものの習得と使用が苦手。視覚、聴覚、知的、情緒などの障害や環境的な要因が直接の原因でない。 |
判断 基準 | 知的能力の評価(全般的な知的発達の遅れがない) 国語等の基礎的能力の評価(国語等の基礎的能力のアンバランス) 医学的な評価(必要に応じて医学的な評価を受ける) 他の障害や環境的要因が直接的原因でないことの判断 |
学習障害にも3つのタイプがあります。
・読字障害(ディスレクシア)
文字を正確に読めない、たどたどしさや片言のような読みになってしまうことが見られます。また、読解力が著しく低いことがあります。文字を読むことは困難ですが、同じ内容を耳から聞くと理解できることがあり、失読症とも呼ばれます。
・書字障害(ディスグラフィア)
文字の形を認識できず、鏡文字で書いたり、マス目からはみ出たり、大きさが不揃いに書いたりしてしまうことが見られます。
・算数障害(ディスカリキュリア)
数の概念理解が乏しく、なかなか身に付かないという困難さが見られます。簡単な計算やおおよその数の理解が難しいため、数に対して苦手意識をもってしまうケースが見られます。
それぞれ1つのみを発症する事もあれば、読み書きが困難といったように読字障害と書字障害を併発することもあります。
読字障害(ディスレクシア)
- 「め」と「ぬ」、「ろ」と「る」などの形が似ている文字を間違える。
- 文章をスムースに読むことができない。
- 文字や行を読み飛ばす。 など
書字障害(ディスグラフィア)
- ひらがな、カタカナをよく間違える。
- 書き写すことが苦手で、間違えが多い。
- 漢字を覚えるのが苦手で、すぐ忘れてしまう。 など
・算数障害(ディスカリキュリア)
- 数を数えることが苦手。
- 簡単な計算で間違えたり、足し算か引き算かなど計算の仕方が混合してしまう。
- 図形を見て書くことが苦手。
- 時計を読むことが難しい。 など
注意欠陥多動性障害(ADHD)
Attention Deficit Hyperactivity Disordersの略。
定 義 | 年齢や発達に不釣り合いな注意力、衝動性、多動性を特徴とする行動が活動や学業の機能に支障がでる。 7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると考えられる。 |
判 断 基準 | 不注意、衝動性、多動性に関する事柄が多く、その状態が6か月以上続いていること。 不注意、衝動性、多動性のうち、いくつかが7歳以前に存在し、社会生活や学校生活に支障がある。 著しい不適応が学校や家庭などの複数の場面で認められる。 知的障害(経度を除く)、自閉症などが認められない。 |
落ち着きのなさが目立ったり、忘れ物が多く、周囲が散らかっていたりことが見られます。
教科指導による気付き
- 不注意な間違いをする。
- 必要なものをよく無くす、忘れる。
- 教師の話や指示を聞いていないようなことが多い。うわの空。 など
行動上の気付き
- 離席がある。
- 椅子をガタガタさせ、じっと座ってることが難しい。
- 順番を待つ、守ることが難しい。 など
コミュニケーションの気付き
- 人の話を聞いていない。
- 会話が一方的で、ずっと話している。
- 会話のやり取りになっていない。 など
対人関係の気付き
- 相手をけなす、邪魔をしてしまう。
- 自分が非難されることに敏感で、過剰に反応する。 など
定 義 | 3歳以前に現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味関心が狭く特定の者にこだわることを特徴とする自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わない。中枢神経系に機能不全があると考えられる。 |
判 断 基 準 | 知的発達の遅れが認められないこと。 人への反応やかかわりの乏しさ、社会的関係形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味関心が狭く特定のものにこだわること、その他の自閉症における特徴に当てはまること。 社会生活や学校生活に不適応が認められる。 |
自閉スペクトラム(ASD)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群等、さまざまな名称の総称。
教科指導による気付き
- 興味関心の強い分野における知識が長けている。電車、昆虫、車ext
- 好きなことへの集中力がずば抜けている。
- 自分の気持ちや考えを人前で発表することが苦手である。 など
行動上の気付き
- 全体指示での行動が難しく、個別に説明を要する。
- 集団活動で、その子だけ逸れてしまうことがある。 など
コミュニケーションの気付き
- 丁寧すぎる言葉遣いをする。
- 独特な言い回しや表現をする。
- どこで習ったの?という知識や会話がある。 など
対人関係の気付き
- 同年代の友達より大人との関わりを好む。
- 友達との関係の築き方が苦手である。
- 休み時間に一人でいることが多い。 など
♦身体障害ってなに?♦
先天的あるいは後天的な理由(主に、病気や事故の後遺症)で、身体機能の一部に障害を生じている状態のことを言います。
以下の図は、身体障害の区分を表しています。
身体障害者という場合は、法の定義の上では、身体障害者福祉法に基づいて身体障害者手帳」の交付を受ける必要があります。
視覚障害
視機能(視力、視野、色覚、光覚)の永続的な総称を言います。
両眼共に視機能が低下しており、現状以上の視機能の回復が望めないものとされています。
両眼の矯正視力がおおむね 0.3 未満のもの又は視力以外の視機能障害が高度のもののうち、拡大鏡等の使用によって も通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度のもの |
どの視機能に障害があるかによって分類されます。
視力障害 | 盲 | 視力が非常に低く、触覚や聴覚などを用いて代替する。点字を常用。 |
弱視 | 拡大鏡など補助具を用いる。 | |
視野障害 | 求心狭窄 | 視野が周囲の方から狭くなり、中心付近だけが残る。 |
視野狭窄 | 残った視野が中心部10度以内になり、著しく不自由になる。 | |
光覚障害 | 暗順応障害 | 暗いところではほとんど見えない。夜盲という。 |
明順応障害 | 明るいところでは見えにくい。昼盲という。 |
聴覚障害
聴覚機能の永続的低下の総称を言います。
実態によって補聴器を使用すれば聴こえたり、指文字や手話等を使用したりします。
両耳の聴力レベルがおおむね 60 デシベル以上のもののうち、補聴器や人工内耳等の使用によっても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの |
程度によって大きく以下の2つに分類します。
聾 | 補聴器を使用しても、身の回りの音や会話の聞き取りが困難。 |
難聴 | 補聴器の使用により、日常生活では会話の聞き取りもある程度可能。 |
聴力レベル(dB)によってさらに細かく分けられます。
正常 | 25dB未満 |
軽度難聴 | 25dB~50dB未満 |
中等度難聴 | 50dB~70dB未満 |
高度難聴 | 70dB~90dB未満 |
聾 | 90dB以上 |
肢体不自由
身体の動きに関する器官が病気やけがで損なわれ、歩行や筆記などの日常生活動作が困難な状態のことを言います。
脳性まひや筋ジストロフィーなどが原因になることもあります。
1 肢体不自由の状態が補装具の使用によっても歩行、 食事、衣服の着脱、排せつ等の動作や描画等の学習活動のための基本的な動作が不可能又は困難な程度のもの 2 肢体不自由の状態が1の程度に達しないもののうち、 常時の医学的観察指導(特定の期間内に常に医学的な観察が必要で、起床から就寝までの日常生活の一つ一つの 運動・動作についての指導・訓練を受けること)を必要 とする程度のもの |
また、医学的には、発生原因の如何を問わず四肢体幹に永続的な障害があるものを指します。
大まかには以下のように分類できます。
脳の障害 | 脳性まひ、脳水腫、脳外傷後遺症など |
筋肉の障害 | 筋ジストロフィーなど |
骨・関節の障害 | ペルテス病、二分脊椎など |
病弱
1 慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制※2 を必要とする程度のもの 2 身体虚弱の状態が継続して生活規制 を必要とする程度のもの |
慢性疾患等のために継続して医療や生活規制を必要とする状態を言います。特に、身体活動や食事に特別な配慮が必要な場合が多いです。
悪性新生物 | 白血病,リンパ腫,神経芽腫,脳腫瘍 等 |
慢性腎疾患 | ネフローゼ症候群,慢性糸球体腎炎,水腎症 等 |
慢性呼吸器疾患 | 気管支喘息,気管狭窄 等 |
慢性心疾患 | 心房・心室中隔欠損,ファロー四徴,多脾症/無脾症,大血管転位,単心室でのフォンタン(Fontan)術後等の術後合併症を含む,重症不整脈,心筋症 等 |
内分泌疾患 | 成長ホルモン分泌不全性低身長症,下垂体機能低下症,成長ホルモン欠損症,甲状腺機能低下症 等 |
膠原病 | 若年性特発性関節炎,全身性エリテマトーデス,若年性皮膚筋炎 等 |
糖尿病 | 1型糖尿病,2型糖尿病,その他の糖尿病 |
先天性代謝異常 | アミノ酸代謝異常,骨形成不全症,色素性乾皮症 等 |
血友病等血液・免疫疾患 | 血友病,慢性肉芽腫症,原発性免疫不全症 等 |
神経・筋疾患 | ウエスト症候群,結節性硬化症,亜急性硬化性全脳炎 等 |
慢性消化器疾患 | 胆道閉鎖症,先天性胆道拡張症 等 |
♦知的障害ってなに?♦
”一般に、同年齢の子供と比べて、「認知や言語などにかかわる知的機能」の発達に遅れが認められ、「他人との意思の交換、日常生活や社会生活、安全、仕事、余暇利用などについての適応能力」も不十分であり、特別な支援や配慮が必要な状態とされている”
引用元 文部科学省 教育支援資料
認知や言語に関わる機能や日常生活に必要なスキルが、一般に18歳以下とされ、知的障害を引き起こす原因は病理型(外因性)と生理型(遺伝子)に大別されます。
1 知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの 2 知的発達の遅滞の程度が1の程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難なもの |
ダウン症やプラダ―・ウィリー症候群など特徴的な顔や性格もいます。
外見的には健常者と相違ないことで苦労する人もいます…。
♦まとめ♦
最近では障害は多様化していると言われ、障害名を付けることで医学的にグループ分けをしたり、知見を増やしたりすることができます。
名を付けること
→ 先行事例が多くなる
→ 特性について理解する人が増える
→ 他者が支援をしやすくなる
→ 本人が生きやすくなる
障害名をレッテルだとは思ってほしくないですし、障害名が付いたからと言って一安心とはなりません。
障害名が付いていようがいまいが、困っている子の状態が良くなるわけでないです。それは学習面でもコミュニケーションにおいてでもです。
そこで、その子の障害や特性に近い実践をもとに、家族、保育者、教育者、医者などその子に関わる教育者が共通認識をもって、その子と関わることができますよね。
え?Aさんはこう言っているのに、Bさんは違うこと言っていてよくわからん…
と、本人も家族も混乱することが減ります。その積み重ねが一貫した指導として信頼につながっていきます。人が人と関わるうえで最も重要なのは信頼とも考えているので、私は今後も専門的な知識とともに相手を思いやる気持ちをもてるよう努力し続けたいと思っています。
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